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人は偉大なる人物や手の届かない人物を「雲の上の人」と呼ぶが正にTAIJIさんは自分にとってそれ以外何者でもない人物だった。
留守電が入っててから数時間後、自分はそのかかってきた番号に電話をかけ直したのだった。 「やぁDAI君~TAIJIです」と穏やかで優しそうな声が返ってきた。 TAIJIさん本人が電話にでてくれた。でも正直電話し始めてから最初の半分ぐらいは何を話したのか思い出せない。 「雲の上の人」というよりか、その時の自分からしてみれば「雲の上の声」だったのかもしれない。 ただ記憶にあるのは 「こんなにTOSHIみたいに歌える人初めて聴いたよ」とか 「ロックバンドを作ろうと思ってる」とか 「ゆっくり話がしたいし歌声が聞きたいから一度東京においでよ」とか そんな断片的な会話しかないのである。 多分30分ぐらい話をしたと思う。 すぐに親に「TAIJIさんと電話したよ」と伝えた。 数日前までTAIJIと呼び捨てで読んでいたのに「さん」が付くようになっていた。まだ別に一緒に音楽出来ると限らないし、何もこの先分からない状況だったけど、この人生で物凄く大きな出来事だと感じたのだった。 その後何度か電話やメールで連絡を取るようになり、お互いの音楽というよりは生い立ちや境遇を話したりしたのだった。多分TAIJIさんは音楽以前に人としての物事に対する美学や感性をお互い確かめたかったのかもしれない。 そして連絡がきてから1ヵ月後ぐらいに、東京でTAIJIさん本人と会うことになるのだった。 つづく。。。
例のCDを送って4、5日経ったぐらいだろうか。
当時バンドを組む予定も無くとりあえず作曲をする日々を送っていた。 ロックと言うものから離れてていたものだから専ら作るのは鍵盤からが主で夜はヘッドホンをして弾いていた。 一段落して一服しようとしてベットの上にあった携帯電話を見ると点滅していた。着信は東京の03~XXX~。東京には知り合いや友達は沢山いたので別に疑問は持たなかったけど、登録されてない番号だったので誰かな?ぐらいしか思わず、その着信で残されていた簡易留守電に内容を聞いたのだった。 「沢田泰司です。DAI君ですか?今女の子と送られてきたCD聴いてるんだけど凄い良くてさ、一度会ってみたいから又電話するね。」 え~って感じで、多分5回ぐらい何度も聞き直したと思う(笑) 20秒ある簡易留守電にちょうど綺麗に収まった内容。 CDを送ったもののその行動に充実感を覚えていて、まさか直接連絡くるとは思ってないから正直驚いたけど動揺もしていた。 こちらから電話していいものだろうか?。。もしくはまた電話すると言ってくれているのでまたかかってくるの待った方が良いのだろうか? さぁどうしようか? 考え事して部屋の隅から隅を何度も行き来したのは人生この時が初めてだった。 この当時使っていた電話はいまでも記念として残してある。 つづく。。 |
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